FC2カウンター ロンドンの梅干 授乳と階級
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2006-02-03

授乳と階級

おとといの夜、TVでやっていたドキュメンタリー
その名も『異常なる授乳』。


子供が乳離れをしていい年齢(英国では満二歳)を
越えても母乳を与える母親とその子供たちに
焦点を当てた番組。
なかには8歳になっても横たわって乳を吸ってる子もいた。

そういう異常と思える光景も印象に残ったが
この番組を観て、思ったことが一つ。

「母乳授乳するのは中流階級者だけ?」

なぜそう思ったかというと

上流階級の場合、産んだらすぐに「乳をあげる人(乳母)」に
子供を渡し、4歳くらいになると「教育してくれる人
(全寮制 public school)」に渡す。
成長したら「階級内で一目置かれてる人」に子を委ね
勤め先を紹介してもらったり、はたまた勤めには出ず
一族が所有する土地やら財産の管理の仕方を教わり
コネ作りの手助けしてもらったりしているのではないか。

要するに産んだらそれまで。
あとは「階級」というモノに育ててもらうのが上流社会。
(あくまでも私の想像)

そして労働者階級。
大体彼女たちは子供を産むのが異常に早い。
13歳で出産。17歳で二人の子持ちというのも少なくない。
彼女たちも出産前に病院側から母乳の利点について
嫌と言うほど聞かせれているにもかかわらず
授乳を嫌う傾向がある。

それはなぜか?


「出産直後の最大限に大きくなった胸を維持するには
母乳をやらないこと」

という伝説が彼女たちの間にあるらしいのだ。


皆知ってた?


日本昔話じゃないんだからさ・・・。
裸で家に帰って来た酔っ払いを「たぬきにばかされた」と
って言ってるのとかわりがないじゃん。

上の伝説が昔から言い伝えられている物なのかはわからない。
それに20代、30代で初めて出産をする労働階級者もいるはず。
が、年齢・性別に関わらず、この階級の人達は
あまり変化を好まない傾向があるようだ。

だから世間でどんなに母乳が騒がれていても
友達や親、がそうしたように、授乳はしない、
という考えが多いのかもしれない。


母乳に限らず、「話題のもの」に関心を寄せ、比較的
早く取り入れるのは中流階級以上のように思える。

オーガニック商品を買うのも、ピラテスをするのも
ダビンチコードを読むのも(ちと古い)やっぱり
中流階級以上の人だと思う。

英国では「母乳」は新しいものとして、ここ数年
騒がれている。

これが一過的な流行で終わるのか、それとも
労働者階級に浸透するまで定着するのか。
あと、粉ミルクができた時に飛びついたのは
どういう階級だったのか。

英国の授乳史についてかなり関心を寄せた夜だった。



・・・と番組を観た後、一人で思いにふけっていた私。

同室に居たナスに、「母乳の授乳と階級」について
意見を求めると


ナス 「お前ってさぁ。全ての物事を階級とつなげるよな。
いい加減にしろよ。」


!!!!!!!えぇぇぇぇええええええ!!!!!!!!

だってこの国で階級を無視して何を語れというの!?!?!

いや~まいった!!!!

『階級』がどれだけ英国社会に影響をしているのか
意識していない人(あるいはわかっていない)が居るんだと!!!!!! 

それも同じ屋根の下に!!!!!


そして

ナス 「それじゃ聞くけどさ。俺のお袋なんか
思いっきり労働者階級だろ。でもちゃんと母乳で
俺たちを育てたぜ。それはどう説明するんだよ。」


梅干 「それはお母さんがインド出身だからでしょ。
私は英国の話をしてるの。」


ナス 「だってお前、階級について話をしたいんだろ。
だったら年齢とか出身地は関係ないだろ。」


梅干 「でもインドだって中流階級以上の人達は
自分で乳なんかやらないでしょ。」


ナス 「・・・確かに…。乳母雇うよな。」


!!!!!!!!!!ホラ!!!!!!!!!!


ということで母乳授乳と階級の関係について
我が家では(一応)意見が一致。



皆はどう思う? 母乳授乳と階級の関連性。



ご意見乞う!!!




梅干

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comment

管理者にだけメッセージを送る

TV番組のタイトル直訳すんだよと、思ったけど本当にそういう内容だったのね。その番組見なかったの、後で詳細レポ聞きに行きます。

母乳で育ててる新ママたちは乳出さないと痛くてやってられないっていう。人種や階級に関係ないと思うんだけど、、、。

乳しぼみを心配して痛み耐える人達って救いようが無い・・・。シングルマザーベネフィットとサイズアップの一石二鳥と誤解してるのかしら?

よっちゃんへ

乳を出さずに痛みに耐える彼女たち。
ある意味女を捨ててないよね。
ベネフィットで『ブラ買い替え給与金』があるのかもしれないよ。
Ann Summerのバウチャー配給とか。
あ、アンサマじゃまた子供作っちゃうからPrimarkかもね。

Jet Air

ひさびさ~。なんかこのサイト重くって、今PC調子悪いのでなかなか開かないねん。なんか軽くできないかしらん?お願い~

さて、この件については私も人種国籍階級とか関係ないと思うんだけど。基本的に乳やりとは母たるものの本能というか、人類が始まって以来ずーっと続いてきたことで。粉ミルクやるようになったってのは、その長い歴史から考えてほんの一瞬。だからxx階級だからどうとは言えないと思う。

ちなみにうちの旦那兄弟みな母乳で育った。シングルマザーの旦那姉ももちろん母乳。ポッシュ所に住んでる知り合いやその友人たちもみな母乳。全体的にみてやっぱり母乳が優勢で粉ミルクはマイノリティ、でもそれは単に乳が出ないとか、そういう機能的な部分の理由によるもののように思う。

まあ、あえていうなら中流の人らの方が最近健康志向にうるさい人が増えて、それでそういう人らが読む小洒落た育児雑誌とかに「今母乳が熱い」とか特集されてたり(ないかそんなん?笑)、というかその番組も含め、逆にそれはメディアが意図的に作り出そうとしているステレオタイプ像ではないかいな?健康志向で(頭のいい)なんでも取り入れる(柔軟性のある)中流、そういった知識を知らずに乳の大きさがどうとかいってる(頭の悪い)労働者階級、てな具合に。でもそればっかりだと大多数の労働者階級ウォッチャーの反感を食らうので、とりあえず中流階級異常授乳のシーンをちりばめたり。見てないのでなんとも言えんけど、そういう意図的な情報操作にだまされてはイケナイ!基本的にメディアは全く信用ならんと最近特に思う。

・・・って乳ごときで夜中に何を熱く語っとんねん、私は。
もう寝るわ。ほなおやすみ。

Jet Airさん

熱いご意見ありがとう!こういうのを期待していました。
ブログ書いた後に気がついたんだけど、「母乳をあげない」というのは比較的新しい現象なのかもしれない。urban mythというかyoung mum's myth in 21 centry?なのかな。
だからMr Jet Airが生まれた頃や、Mr Jet Airのお姉さんの時代より後の話、ということでご理解いただきたいです。
あと、差し支えなければ参考までにJet Air Sis in Lawが初めて子供を産んだのはいつか今度教えてください。

自分の主張を裏づけするわけじゃないけどbreastfeeding'と'social class'をキーワードに検索してみたら出た出た、いろんな記事が。
National StatisticやNHSのサイトにも階級が低い人ほど、母乳をやらないということが書かれていたけど、なぜそうなのか、というところまでは書かれていませんでした。教育レベルが低いほど、母乳をあげない、という傾向にあるようです。で、これらの機関はメディア操作目的より、母乳をあげる人たちがどういう人たちなのか分析したうえ、母乳を奨励をしようとしてるんだと思うよ。
・・・と、私こそメディアにいいように踊らされてる一人なのかもしれない!!??

興味があったら読んでみてチョ。
↓NHS↓
http://www.sheffield.nhs.uk/breaststart/details.htm

乳から考察するメディア・政府論(なーんて)

また出てきました。夜になると乳を語りたくなる?!

さて、リンク読んでみました。ありがとう。
で、思ったのが、これってただ単に政府の「NHS・粉ミルク経費削減キャンペーン」なのではないかいな?(貧乏人には粉ミルク無料で与えられるよね)
これは推測だが、君も不思議に思っていた粉ミルクが開発されたばかりの頃、政府はこれで働く母を奨励して国のGDP向上に役立てれるとばかりに、粉ミルク=中流階級が使うおっされ~なシロモノといったイメージをメディアにバンバン流させていたのではないだろうか?どうなんやろう??しりた~い。

時の政府が変わったりその他もろもろの社会現象によって、メディアなんてゆうてること180度変わるからねえ。イギリスが日本と異なる点は、そういった人々へのイメージ植え付け大作戦に階級というカテゴリーがよく利用されるということなのでは・・・?

ってまた乳ごときからこんな大げさな話に。w

ちなみに義姉が第一子を産んだのが20年前、第二子は5年前。

それでは乳研究家(?)の梅干さん、また何かわかったら教えてねん。

同じく乳研究家(でも形・大きさ専門)のJet Airより。

これ、絶対貴方の意見が正しい。

労働者階級の母乳離れがいつ始まったのか調べると面白いと思う。これは労働者階級のフィッシュフィンガー好きと関連あると思うな。だって大量生産モノが流行りだしたのって戦後だよね。やっぱり60、70年代くらい?ってことはアンチ母乳、美胸保持伝説もまだ3世代目くらいのはず。なぜここまで確立されちゃたのか??英国の階級制度は奥が深いですね。

しきーにゃさん

絶対カキコしてくれると信じていたよ!
フィッシュフィンガーとの関連性、私も実はそう思っていた!
6年前、あなたから「労働者階級ほど冷凍食品の消費が多い」と聞かされたのはEaling Commonの自宅近辺のCreffield Roadでのこと。あなたの車の助手席で頭を石で殴られたようなショックを受けたのを今でも覚えています。
「だって加工した食品のほうが高いじゃん!」とわけのわからない反論をした私に「いや、原料と労働の安い国で加工してるんだよ。ま、この国で長く暮らせば自然に分かるよ」とニヤリとした貴方。
…とノスタルジックになるのはここまでとして、フィッシュフィンガーとの関連性。ちょっと調べてみましょう。そのうち「粉ミルクとフィッシュふフィンガーに見られる英国階級制度」(仮)という本でも書いて一発当てますか? …って買う人が私と貴方と、Jet Airさんくらいしかいないか…。ナスも絶対読まなそう。
ということで研究者肌のしきーにゃさん。調査よろしく。

Jet Airさん

分が長く、画面に反映されないので4部に分けます。
*********************
再度のカキコありがとう。やっぱり乳を熱く語るなら夜だよね。
さて、政府なぜ政府がそこまで母乳を推奨するのか。
私は粉ミルク代削減より、もっと大きな額の、そして長期にわたるbenefit額削減を目標にしてると思うのです。
同じくNHSのサイトに「母乳で育ったほうが体が強くIQが高い子に育つ」、というう興味深い統計結果を発見。
これこそが政府が利用しようとしている数字なのだと思うの。
その統計の信憑性は別として数字として顕著に現れるその理由を私なりに考えてみました。

母乳で育った子⇒母親が中流階級⇒子供の発育や教育に関心が高い⇒こどものIQが平均を上回る
それに対し
母親の美乳維持が目的で粉ミルクで育った子⇒母親は自分の胸のほうが関心アリ⇒子供の発育が母乳児より下回るケースが増える
ということになるのではないでしょうか。(あくまでも私の勝手な意見)

Jet Airさんへ(その2)

これとbenefit給付額の削減がどうつながるか。
美乳維持派のヤンママたちは14,15で子供を作ってもその年齢じゃ結婚も就職もできないかららbenefitの世話になる。
その後職に就けたとしても手に職の無く、資格も無いから景気がちょっとでも悪くなるとすぐredundantになり下手すると一生国に面倒を見てもらうことになるのですよ。
そしてその子供も親と同じように早く親になり、benefit受給2代目だったりするのではないでしょうか。
そしてbenefit2世が3代目を作り出さないよう、対策として母親の再教育があげられ、政府が「母乳」がその一部として引っ張り出されたのだと思う。

Jet Airさんへ(その3)

母乳のほうが子供の発育と知能によい、というのを売り言葉に、美乳維持より子供のwelfareに関心を向けさせたり、
はたまた去年話題を呼んだJamie Oliverによる学校給食の改善番組のようなものを大々的に取り上げ、食べ物と子供の情操的発育の関係を親にアピールしようと図っているのではないでしょうか。
母乳にしても食事改善にしても、メディアにあおられている部分は大きいけれど、健康的な生活を奨励してるので私は悪いことだとは思いません。
今、英国では子供の教育レベルとその理解度が落ちていて、それと反比例して子供の犯罪件数がうなぎのぼりなわけです。
やはり国としてはいま必死で対策を練り、「母乳でも借りたい」状態なのだと思いますよ。

Jet Airさんへ(その4)

と、かなり梅干節の意見になりましたがどうでしょうか。
下手なサスペンスドラマと同じくらい、つじつまの合わない、また不愉快な内容かもしれません。個人的な見解ということでご容赦ください。また、ほかの意見がありましたらどしどし送ってください。
違う意見があって、初めて気がつくことが多く、非常に勉強になります。
乳以外の話も同様、いつもJet Airさんのご意見はありがたく参考にさせてもらっていますので、これに懲りずにまた討論に付き合ってね。

おお~すごいおもしろいっ!土曜ワイド劇場のがけっぷちシーンよりハラハラする母乳論。
こりゃ梅干さんの言うとおり、政府としての意図があることは間違いないね。こう考えると本当におもしろい。今後の動向が注目されるし、それより何より、ちょっと今度討論会をやりたいもんですな。乳について、目と目を見ながらより深く考察しようではないか~

しきーにゃさんのおっしゃるフィッシュフィンガーの話を聞いてふと思ったのが、粉ミルクについては、ここは資本主義の世界。経済活発化のために、新たに開発された利益率の高い、でも怪しげな食品をうまく大量生産大量消費の波に乗せる必要性から、粉ミルクは労働者階級へ浸透した(させられた)のでは?ていうか、しきーにゃさんがおっしゃりたいのは、そういうことでしょうか?(簡潔な文面からは奥が深すぎて真意を読みきれませんでした・・・理解力が足りず重複してたらすみません。)
でももしそうなら、やっぱり政府・メディアはおそろしい~。。

あああ、めっちゃ興味わいてきた。で、粉ミルクの歴史をググってみたのだが、さっぱりわからん。でもどうやらこれも戦後っぽいね。
梅干さん、素敵なネタ投下ありがとう。今度会えるのを楽しみにしてます。

Jet Airさんへ

そういえば昔、西洋諸国が粉ミルクをアフリカ諸国に大量に寄付して、アフリカの乳児が大勢死んだって話を思い出した。
その頃、開発されたばかりの粉ミルクを「栄養満点」を売り言葉に貧しいアフリカの国々にばら撒いたんだけど、免疫の無い赤ちゃんが不衛生な水で溶かれたミルクを飲んでばたばた死んでいったそうな。それと60年代に生まれたサリドマイド児。
そういうことを重ねると60年、70年代にかけて、政府による大掛かりな人体実験的試みがされたんだとおもう。
なので私が思うに、英国を含む先進国はこぞって粉ミルク推進をしたけれど、ある程度、時間が経つと粉ミルクの欠点が目立ち、母乳大切さというのが見直されたんだと思う。

だから今NHSが躍起になって母乳、母乳言ってるのもただの健康面のみが目的とは思えない。前に書いたとおり、ベネフィットの削減、青年の犯罪減少など色々な目的があるのだと思う。

私の母乳サスペンス劇場にJet Airさんにも参加してもらい、もっと話が広がりそうな予感。土曜の一回ぽっきりネタから『渡鬼』くらい発展するかもよ!?
そういえばJet Airさんとは今年に入ってから会ってないんだよね。
私はいつも5:30くらいに仕事が終わるから、茶にでも誘ってチョ。

そうそう、あとJet Air義姉の20になる娘さんって大学で法律やってるんだよね? やっぱり母乳のお陰!

プロフィール

梅干

Author:梅干
☆1999年4月☆ 
東京でOL。
何気なく手にした海外就職情報誌で英国のポジションに関心を寄せる

☆1999年6月☆
英国での仕事が決まる

☆1999年9月☆
労働許可書(work permit)がおり、英国に移り渡る

☆2001年9月☆
同じ会社に務めるインド系英国人・ナスと交際開始

☆2003年8月☆ 
晴れて英国定住ビザが下りる

☆2004年6月☆
転職

☆2004年7月☆
ナスと西ロンドンに住居を購入。

☆2007年4月☆ 
三毛猫のミケさんが家族として加わる

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